二冠王。
内藤選手が勝つにしろ、オカダ選手が勝つにしろ、イッテンゴは史上初の偉業を成し遂げた王者に賞賛を送り、喜びの中に幕を閉じるはずでした。
結果、史上初の二冠を手にした内藤選手。
念願の東京ドームのメインでの勝利。そして"デ・ハポン"コールにというところで・・・
現れたKENTA選手。
内藤選手に「ブサイクへの膝蹴り」からの「go 2 sleep」をかまして会場をブーイングの嵐に包みました。
結果、"デ・ハポン"コールはなし。
今回は誰もが「嘘だろ・・・」と思わず呟いた、この衝撃の展開を振り返ります。
"最強"を超えた"最高"の男 内藤哲也
史上初であるIWGPヘビー級とIWGPインターコンチの二冠を巡る戦いに、ただ1人手ぶらで臨んだ内藤選手。
イッテンヨンでは、ジェイ選手の執拗な脚攻めに苦戦しながらも、最後はブレードランナーを切り返した末のデスティーノで勝利をおさめ、見事"最高のベルト"であるIWGPインターコンチを取り戻しました。
迎えたイッテンゴ。
対戦相手は"最強のベルト"を飯伏選手から防衛したオカダ選手。2年前に東京ドームで敗北している宿敵との死闘の結末は、内藤選手のバレンティアからのデスティーノ。これにより史上初の二冠を成し遂げました。
かつて放り投げた2本のベルトとともに前へ進むことを宣言した内藤選手。
二冠を手にし、まさに「ベルトを超えた存在」となった彼が、間違いなく2020年「新日本の主役」です。
しかし。
破壊者 KENTA
まさに会場が一体となって"デ・ハポン"コールをする寸前。
現れたKENTA選手により東京ドームの祝福ムードは完全に破壊されました。
エンディングでの乱入によりバッドエンドで終わることは度々あるものの、まさか東京ドームで仕掛けるとは誰が予想できたでしょうか。
それもNEVERのベルトを失ったばかりのこの男が。
ただ、事実はひとつ。
史上初を成し遂げた二冠王の上に座り、嗤う男がいたということです。
1月4日のツイートは伏線か
イッテンヨンの試合前、KENTA選手はこんなツイートを投稿しています。
いつもの調子で、しかし「WRESTLE KINGDOM」を観戦するファンに対する優しさすら垣間見えるこのツイート。
しかし、内藤選手を襲撃した後だと特別な意味を含んでいるように見えます。
「二冠王の誕生に喜ぶお前らを、絶望に落としてやる」
KENTAの二冠王襲撃は、計画的なものだったのかもしれません。
KENTAのプロレス、始まる
内藤選手襲撃後、KENTA選手はツイートを投稿します。
二冠王となった内藤選手の上の存在となったことをアピールするようなこのツイートには、世界中から多くの応援する声、罵倒する声が届きました。
ちなみに、KENTA選手が新日本プロレスに参戦表明した日のツイートがこちらです。
HERE I AM.
I AM HERE.
文字を入れ替えただけで、意味はどちらも「俺はここにいる」。イッテンゴの「HERE I AM.」の方が "ここ" を強調した言い方ではありますが、あえて同じ意味の言葉を選んだKENTA選手。
果たしてどんな意味が込められているのか。
参戦時のマイク「KENTAのプロレス、お見せします」の答えが今回の襲撃であるのならば、ここからいよいよ「KENTAのプロレス」が始まるのかもしれません。
KENTAが見せた覚悟
イッテンゴのラスト。
KENTA選手は大きな衝撃をもたらしたと同時に、多くのファンから嫌われたことでしょう。
内藤選手の悲願を、夢が叶う瞬間をぶち壊したのですから。
これまで以上のブーイングが飛ぶことでしょう。
ツイッターも今まで以上に荒れるでしょう。
しかし、この大舞台で、この行動を選択したKENTA選手の覚悟は賞賛するほかありません。
まさに、ここしかないと言う瞬間でした。
二冠戦にファンの注意が集中し、数試合前にベルトを奪われた男のことなど考えるはずがないタイミング。
2年間、待ちに待った東京ドームでの"デ・ハポン"コールの歓喜のその瞬間。
内藤選手が二冠王となったこの日。
最悪のヒールとなったKENTA選手は、誰もが目を離せない存在になりました。
さぁ、2020年はまだまだ始まったばかりです!
ではまた!