ちょっと遅くなってしまいましたが、今回は先日の2.4後楽園大会について。
2.9大阪城大会に向けた前哨戦の意味合いの強い大会ですが、前回の投稿でこれまでの経緯を細かくまとめちゃうくらいには、この日組まれた上村優也選手と石森太二選手のシングルマッチが楽しみで仕方なかった訳です。
2019年の10月から続く上村選手と石森選手の"アイスクリームの因縁"がどういう展開を迎えるか。
試合の結果としては、石森選手が「Yes Lock」で上村選手から勝利します。終わってみれば順当な結果なのですが、確実に上村選手の今後に繋がる試合だったこのシングルマッチ。その中でも特に、後半に上村選手が見せた「回転足折り固め」について記録を残しておこうと思います。
【奥の手】回転足折り固め
試合後半、バックの取り合いに。
試合の前半に多いレスリングを駆使した攻防では、毎回巧みな技術で相手の上をいくことの多い上村選手。今回はどんな展開を見せてくれるかと思っていたら、繰り出されたのは
「回転足折り固め」
バックに回った後、相手をロープに振り、戻ってきた勢いを利用しながら足を固め、ブリッジの要領で押さえ込む。SANADA選手が「オコーナー・ブリッジ」と名付けて、ここぞの場面で出すあの技です。これには思わず、そうきたか!と声をあげてしまいました。相手の隙をつくこの技は、格上の選手から勝ちをもぎ取る奥の手となり得ます。トップレスラーの石森選手を倒すための一手として準備をしていたのでしょう。
最終的には石森選手がカウント2で返す勢いのまま「Yes Lock」に持ち込み、上村選手はそのままギブアップ負け。しかし今回の試合で「回転足折り固め」が手札として加わったことで、近いうちに先輩レスラーから勝利する準備が整ったような気がします。成田蓮選手の「成田スペシャル」のように特別な技として定着させ、精度を高めていって欲しいです。
目指すはクラシカルなレスラー
石森選手との試合の前日、日刊スポーツにヤングライオンの2人が取り上げられていました。
ここで上村選手はSANADA選手を例にあげ、「クラシカルな試合が好き」と語っています。奥の手として「回転足折り固め」を選んだのは、SANADA選手の影響が少なからずあるのかもしれません。
SANADA選手は、技の数は少なく、その分、ひとつひとつの技の熟練度を高めることで勝利に繋げるレスラーです。今はヤングライオンとして元々使える技が限られている上村選手ですが、ヤングライオンを卒業して技の制限が解禁された時、どの技を選択し、精度を高めていくのか。そのあたりも今後の注目ポイントです。
そして、また強くなる
試合には勝てませんでした。やはり、石森選手は強かった。ただ、丸め込みの連発からカンヌキスープレックスにつなげたり、バックの取り合いからの回転足折り固めなど、確かに石森選手よりも上を取ったシーンもありました。敗れはしましたが、確実に成長している。上村選手はさらにさらに強くなる。そう思わせてくれる試合でした。
上村「せっかく組まれたチャンピオン級との人のシングルマッチでしたけど、ぜんぜん食らいつく事ができなくて……。また明日から『SUPER Jr.』に向けて、まずは『SUPER Jr.』に出れるように明日から、またあしたから頑張ります。この悔しさを『SUPER Jr.』でぶつけてやる。ありがとうございました」
出典;新日本プロレスリング
これから見据えるのは、5月から始まる『SUPER Jr.』への出場です。トップレスラー達とのシングルマッチを経験でき、さらにIWGPジュニアヘビー級への挑戦の可能性もある『SUPER Jr.』。出場しない手はありません。あと3ヶ月。技を磨きつつ、これまで以上に試合やバックステージでどんどんアピールしていって欲しいです。
石森太二との関係は続く・・・?
石森「上村の坊ちゃんは一生懸命で、本当、かわいいよ(笑)。でもさ、毎日お説教マスクの説経に耐えて、大したもんだよ! もしかしてドMなのかな?(笑) まぁ、また何か贈ってやるから。もっと強くなって、また俺にかかってこい! この言葉を贈るよ。It’s Reborn!」
出典;新日本プロレスリング
「また何か贈ってやる」とは言ってますが、石森選手が上村選手にアイスを贈るという奇妙な"因縁"から始まった2人のストーリーの第1章は、ひとまず決着を見せたということになるのでしょう。まだまだ大きな力の差があることを見せつけられた今回のシングルマッチ。しかし、トップレスラーと戦った経験は確実に上村選手の中に蓄積されたはずです。いつになるかは分かりませんが、上村選手が「もっと強く」なった後、再びこの2人のストーリーが始まるその日を楽しみに待ちたいと思います。
ではまた!